Hugh Brodie And The Real Thing/Hugh Brodie And The Real Thing

ヒュー・ブロディ・アンド・ザ・リアル・シング

P-VINEというレーベルは、おいおいそんなものまで!キリがねえな!という程に飽くなき再発をすることで定評のある国内レーベルだが、これも言わばそんな一枚。ま、P-VINE再発のソウルなりジャズなりってのは名前を知っていようがいまいが「何か」あるものと思って大体目をつぶって全部買う。そういうヤツ。しかしそれにしても素性が全然わからないので、オビに助けを求めたところ、「コルトレーン生涯の朋友であったカル・マッセイがキャンディドレーベルに残した名盤「Blues To Coltrane」への参加で知られるテナー・サックス奏者」などと書かれていて、そりゃ遠いなあ。メインストリームが実に遠い。ま、それでこそのRare Grooveなんだけれども。4曲目「Cornbread & Beans」がFUNKマナーに乗っ取った良曲。また公私混同して14歳の愛娘に歌わせたという5曲目「Since My Baby(Let Me Standing Alone)」が可愛らしい。それ以外にも結構真っ当な4ビートあり、スピリチュアル系っぽい曲ありと中々バラエティに富んだ一枚。良盤である。国土の広いアメリカのローカルミュージシャンというのはローカルとは言え相当なレベルにあるミュージシャンが沢山居て、そういったご当地ミュージシャンを掘り出したら本当に底無しなんだろうけれど、ちょっとしたロマンではある。