Smokin'/Greg Perry

Smokin'

Invictusといえば、Motownを不満タラタラで飛び出したソングライターチーム、Holland-Dozier-Hollandが設立したノーザンマナーのレーベルとして名高いが、そこでHoney Coneなんかに曲を提供してたのがこのGreg Perryというオッサン。ちなみに前作「One For The Road」収録の「I'll Be Comin Back」は、ソウルミュージックと呼ばれるものの中で1、2を争うくらい大好きな曲。何せその声がタマラナく好きだ。想像するにソングライターという裏方稼業は、歌手として一旗あげようとレコード会社の門を叩いてみたら、キミは歌は今ひとつだけれど作る曲はナカナカだから、ウチのこの娘たちにその曲歌わせてみないか?なんてことになってそのままそのポジションに居座ったりするものなのだろうけれど、時々こういう素晴らしいノドを持ち合わせたソングライターなんてのが存在するから、ソウル界の懐は実に深い。彼が他人に提供する曲もキャッチーで良いカンジなのだが、前出の「I'll Be Comin Back」などはどうしても自分で歌いたくて温存してたんじゃないかと勘ぐるくらい輝いていた。1st再発後、この2ndが再び陽の目を見るまでに随分と時間を要したのは、流石に1st程の輝きがないからなのかもしれないけれど、やっぱり僕はこの人の声が大好きで、3曲目「(I Can See The)handwriting On The Wall」、4曲目「How's Your Love Life, Baby?」あたりを聴いているとニンマリしてしまう。どちらのアルバムも商業的な成功は収められなかったようだが、僕にとってはスペシャルなアーティストの一人である。