井の中の蛙は

井の中で一生を終えるのが実は一番幸せなのであって、わざわざ自分の肌に合うかどうかも分からない海水などにその身を晒すことはない。僕は半ば本気でそう思っていて、何の話をしているかというと、正に僕がこの広いインタアネット(などと表記するとちょっとブンガク的に聞こえて格好良いかと思ったのだが、そうでもなかった。二度とやらない)の海の中で、本当に何も知らない井の中の蛙だなと思い知らされる事が多々ある。例えば僕がこの「はてな」というサービスに、自分のHNであるところの「yasubow」で登録しようとしたところ既に先約が居て、それでyasubow2000などという付け焼刃のような登録名を使用しているのだけれど、「はてな」先住民のyasubowさんはかつてやはりはてなダイアリーを付けていらして、その文章が実に文学的で、俳句なども詠まれていて何ともハイソな雰囲気なのだ。僕などのような人間から見れば、「高尚だなあ。」という感想しか出てこない、平たく言うとその文才が羨ましく思えてならない感じなのだが、そのスペースももう随分長いこと更新はされておらず、その様な才を兼ね備えた方でも志半ばでどこかへ居なくなってしまうのだと思うとなんとも言えぬ気持ちになる。そもそも日記に志なんぞありはしないのだろうが、なるほどこのはてなという寄り合い所をしげしげ眺めてみると、その才能を遺憾なく発揮し、ネットスタア(やらないと言ったそばから・・・)になられた方も多数見受けるし、恐らくかのyasubowさんの様に才があってもやめてしまわれる方もまた多数いるのであろう。ゆく川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。嗚呼、世の中は無常で御座います。そして僕は海を目指すその川の流れには目もくれず、河原の隅の辺りで鼻水をたらして戯れる馬鹿な餓鬼のような存在なのだろうと思うと、俄然自分が恥ずかしくもなってくるのだが、何もかもこの目で見て歩き、挙句羞恥心と言うの名の海水でこの身が溶けてしまうと言うのなら、僕はやはり井の中の蛙で居られればそれでかまわない。井の中万歳!と叫んで井の中で殉職する井の中刑事を目指す!なんだそりゃ。