自転車にのって

「自転車にのって、自転車にのって、ちょいとそこまで歩きたいから。」というのは高田渡の「自転車にのって」の一節で、自転車にのって歩くという表現が実にのどかな昭和の古き良き時代を思わせる名曲であるが、そんなのどかにチリリンリンと乗る自転車とは程遠いかなり必死にマジ乗りする自転車、クロスバイクを購入してきた。TREKというメーカーの7.3FXというエントリーモデルを買ったのだが、エントリーモデルのクセに本体だけでもかなり値が張る上に、やれヘルメットだライトだ空気入れだと付属品を色々揃えたところ、ガビーン!何その金額!みたいな値段になった。しかし折からの禁煙の影響による過食と、慢性的な運動不足でブクブクと醜く中年太りして行く我が身をなんとかしなくてはいけないという危機感が勝り、「よーし!買った!買ったった!」と高らかに宣言してきた。まあ多少声が上ずったが。ちなみに阿佐ヶ谷在住の僕がこのモデルの在庫を都内でようやっと探し当てて池袋で購入し、納車が今週末の土曜日。「当日は乗って帰ります!」などと爽やかに宣言してしまったため、しょっぱなからいささか不安である。たいした距離ではないし何が問題なんだと問われれば一般的には問題ではないのかもしれないが、何を隠そう今回購入前に自転車に跨らせて貰った際、いきなり股関節がグキっとなって脂汗が出たのである。この体、最早自分の体とは思えないくらいに老朽化して腐っている。完全に腐れ切っとるわい。何れにせよ必死にならざるを得ない金額を支払う事になるのだし、これである程度健康な体が手に入るのなら御の字ではあるものの、嗚呼、早く自転車で良い汗かいて美味しいビールが飲みたいものだな!などといきなりぬるい事を考えたりもしていて、多分それだと痩せはしないし、なんせ今から冬本番だしで、いよいよ金をドブに捨てたなんてことにならないように、心してかかりたいと身が引き締まる思いである。良い歳こいて言うのも恥ずかしいが、僕は風になる!!なるよ!!ベタすぎるとは言え本当に風邪にもなりそうだけれど。