怒る事が苦手なもので

僕は普段、イラっとする事が起こったりしても滅多に怒りをあらわにする事などはないし、大体のことはグっと飲み込めてしまうので、他人には温厚だと思われているかもしれないのだが、これは単純に怒る事がヘタクソなだけで確実にイライラは募っていて、何かの拍子に耐えられなくなるとそこで一挙にそのイライラが噴出してしまい、それが原因で良からぬ結果を招くなどという事がママある。お察しの通り本日がたまたまそんな日で、ただいま我が家はマイカーを手放すべく、中古査定業者数社に査定依頼をかけているところなのだが、その中の一社が、わざわざ夜分に家まで押しかけてきて今日中に契約しないと値が崩れるだのなんだのとかなり強引な営業に打って出てきたので、ついイライラが沸点に達して、「気持ち良く取引できない先とは付き合いたくないから帰ってくれ!」などと追い返してしまったのだ。これにはどうにも失敗の臭いがする。似たような過去を振り返ってみると一番失敗した事というのが、実家を離れ最初に賃貸で住んだアパートが一階の角部屋だったのだけれど、程なく裏の駐車場に大型マンションが建設されてしまい、一切日が当たらなくなるという憂き目に遭った。これが不測の事態であれば諦めもつくのだが、入居間も無くの出来事であり、入居時大家からの説明が一切なかったためやはりこの時もブチ切れて、行き先も決めぬまま大家に啖呵を切って出て行くことにした。ところがさてでは何処に住むかと言った新居探しの段になって、元々頭に血が上っている事もあってか新居担当の不動産屋とも対応が云々で揉めに揉め、結局この時も「お前のとことは付き合わん!」といった具合に喧嘩別れをし、挙句退去日になっても新居が決まらず、仕方が無いので両親に頭を下げ、家財道具一式を貸し倉庫にぶっこんで、出てから間もない実家に戻る羽目になるというアホな事態に相成った。玄関先で僕を迎えた両親の「ありゃりゃー。」という残念なものを見るような目が今でも忘れられない。実際かなり残念な息子さんではあるのだけれど。そして本日の車の件もその業者は結構な金額を提示してくれていた。今後の他社との交渉如何とは言え、あれよりは安値で買い叩かれる悪い予感がする。そしてこういう予感は多分当たる。短気は損気などと諺でも言うけれど、普段怒り慣れない人間が起こす短気ほど、より大きく損気な気がしてならない。