歳相応の感性で

思えば僕が必死こいて音楽を聴いたのは、10代の中盤から20代の前半までだったから、随分良く聴いたつもりではいたけれど、今思えばそれほど長い時間という訳でもない。だからその年齢の感受性で響いたものが僕の音楽の全てだったし、今でも基本それ以上でもそれ以下でもない。何の話がしたいかと言うと、先日ネットの知人とたまたま音楽の話題になり、僕がSIONというアーティストの事について色々と話をしたのだけれど、youtubeなどを使って曲を紹介していたら、何時の間にか僕のほうがSIONを聴く事に夢中になっていた。「お前がいる」という歌の「月をみるといつも手を合わせて、なにかぶつぶつ願い事してる。『お月さんも大変だな』俺が言うと、『覚えてもらわなくっちゃね』って笑ってる。お前がいる。お前がいるから、まだ行くぜ。石にかじりついても。」という歌詞を聴いた時、不覚にも涙が溢れ出して来た。いや不覚ではない。僕の涙は案外安いから全然不覚なんかではないのだけれど、果たして一番SIONを聴いていたあの時期、この歌詞で僕は涙しただろうか。なるほどな。また1から好きな音を聴き返せば良いじゃない。そしてまた今の自分の頭で色々想えば良いじゃない。なあyasubowさんよ。また楽しくなりそうだ。少し元気が出てきた夜だった。